遺言の保管
遺言書を作成したら、次に考えなければならないのは遺言書をどのような方法で保管するかと言うことです。
遺言によって自らの意思を実現するためには、その遺言書を相続人に見つけてもらわなければなりません。せっかく遺言書を作成したとしても、見つけてもらわなければ遺言書の効力を生じさせることは出来ません。
遺言書をどこに保管するかは重要な問題ですが、当事務所では以下のいずれかの方法をお勧めしています。
公正証書遺言の場合
公正証書による遺言は、遺言書の原本が公証役場に保管されています。
したがって、相続人に遺言書を作成してある公証役場の場所を伝えておけば十分です。
遺言書の存在が明らかになっても、相続人が遺言の内容を知ることは出来ません。相続人が公証役場を訪れて遺言書の内容を教えて欲しいと要求したり、閲覧を請求したりしても、公証人がこれに応じることはありません。
弁護士などの専門家に頼む場合
弁護士は職務上高度の守秘義務を負っており、職務上知りえた事実を第三者に洩らすことは禁止されていますので、遺言書の内容を第三者に漏洩することはありません。もちろん、「相談をした」「依頼をした」という事実自体も第三者に洩らすことはありませんので、遺言書の存在自体を周囲に秘密にしておくことも可能です。
また遺言書作成について相談した弁護士に遺言の執行を依頼している場合には、遺言書をそのまま弁護士に預けておくと、将来の遺言執行が円滑に進みやすいといえます。
第三者に頼む場合
自筆証書遺言の場合、親族等に預けることもあります。
しかし、法定相続人などの利害関係のある方に預ける場合には、隠されたり改ざんされたりするおそれがあり、逆に紛争の元ともなりかねませんので、なるべく利害関係がない公正な第三者に保管してもらうようにしてください。
遺言で遺言執行者を定めた場合には、遺言執行者に預けておくのが適当です。